録音出力の切替スイッチもこの際関係ないとは思いますが、このタイプは接触不良の可能性が大なので取外して分解・清掃を行います。それにしてもピンの数が多いです。 これまで分解した中でも最多かも。
直せそうな自信があまりないので、「修理」というより進捗状況の報告としての投稿です。とりあえず目視点検から始めますが、今回の症状にはあまり関係ないように思える「フォノアンプ」部分にはんだ不良が見つかりました。画像のまん中あたりの縦に7つ続いた銅箔ランドの上6個の部分には2個のトランジスタが実装されていますが、下の3個の部分ははんだ面に足が貫通していません。軽く引っぱるとスポッと抜けてしまいました。(穴が残っています)
回路は生きていることがわかったので入力部分から順にたどっていくことにします。画像は入力端子の裏側で、入力コンデンサに無極性タイプが使われています。その後にどうやら過大入力防止用らしいダイオードが逆向きに直列接続されています。今回はこの定電圧ダイオードが2個ともショートしていました。そのために入力された信号が入口でアースされて増幅部分に届いてなかったことが故障の原因のようです。現在は画像の小信号用のダイオード「1588」で代用していますが、動作には問題ないようです。
TOAの業務用のアンプがやって来ました。「片ch出ない」で、もちろんジャンク品です。さっそく内部を観測するとさすがに業務用で、メンテナンスのやりやすそうな構造になっています。電源トランスが特に大きく目を引きます。コンデンサは端子がネジ止め方式のオーディオ用が使われています。いつものカーステ用のスピーカーをつないで電源を入れ、耳に押し当てるとかすかに残留ノイズが聞こえるので回路は生きているようです。
10Ωのサンキン(酸化金属被膜)抵抗と5.6KΩカーボン抵抗は新品に、三菱のトランジスタ、2SA850/2SC1735は手持ちの日立製2SB647A/2SD667Aのコンプリペアに交換します。いつもながら三菱のトランジスタは足の順序が逆なので何度も確認の必要があります。コンデンサは耐圧が80Vモノということもあり、特に外見上の変化もなさそうなので電源基板は一応ここまでで、あとはヒューズの手配です。