不良トランジスタは、新品に交換したいのはやまやまなんですが、入手難の品種でもあり、なかなか買物の時間が取れないので、「ジャンク箱」を活用します。幸い 2SA706 はHfeが近い使用済品が見つかったので使ってみます。パワートランジスタは、コレクタ損失が同じ100ワットのサンケンのペアがあったので、これを使います。厳密には最大許容電圧や許容電流値がやや低めですが、フルパワー動作でない限りまず問題はないと思います。
問題のありそうな片ch分の全てのトランジスタの取外しができました。初段はソニーの2SC926Aが2個、そして東芝の2SA818/2SC1628、ドライバ段はソニーの2SA706/2SC1124が使われています。チェックの結果、ソニーのドライバトランジスタ 2SA706がショートしています。その他はHfe測定では規定の範囲から大きくズレていたものはありませんでしたが、初段の 2SC926A は足が真っ黒になっていますので、Hfe値が近い 2SC2240BL に交換します。2SA818/2SC1628も互換品種に交換したいのですが、足の順序が違うので、このまま再使用します。
パワートランジスタを交換する前に、ショートの原因をさぐってみることにします。単にパワートランジスタの劣化がショートの原因なのか、ドライバ段以前の問題で、パワートランジスタの「ベース」に異常な電流が流れたのかを確認のために、全てのトランジスタを取りはずしてチェックします。
東芝製のパワートランジスタ、2SB555/2SD425 が使われています。ヒューズが飛んでいる事から、パワートランジスタのショートが考えられます。もちろん、いきなりヒューズを交換してみるような度胸はありませんので、取りはずしてチェックの結果、やはり2個とも予想通りでした。
この機種だけでなく、オンキョーのアンプはあまり整備性が良くありません。巻き付け配線を外さずにパワーアンプブロックを取り出すとこんな形で「宙ぶらりん」になってしまいます。