アンプと違っていじれる部分はそれほど多くありません。この個体は「TOCを読まない」ということらしいので、エタノールでレンズの清掃とレールのすべり具合をチェックします。幸いな事に「メカ」は取りはずさなくてもレンズが見えています。右下の方の小さなギヤのグリスは硬化が始まっているようなので、一旦拭い去って新しいグリスを補給します。(チェックのための「生MDメディア」を1枚買ってきます)
オペレーションスイッチの横に松下製のコンデンサが見えています。4.7μ50Vで、「ガリ」の原因になる「もれ電流」はないと思いますが、ココは無極性タイプに交換します。取りはずして測定した結果、容量は定格より1割程度少なくなっています。
フロントパネル側は、事前に取りはずす部品やそのネジの種類がいくつもあるので、かなり面倒な作業になります。画像はオペレーションスイッチで、足が相当黒く、内部の電極もこれほどではなくてもかなり汚れているように思います。ミューティングスイッチも足の数が少ないだけで、見た感じは同じようです。スイッチ本体は、カバーのプラスチックを熱で溶かして組立てられているので、分解すると再組立はできそうもありません。他に方法がなく、「CAIG」に頼ることにしますが、吹き込む隙間がないので、しばらく「漬け込む」ことにします。
次に、黒いつまみが1個脱落したスピーカー端子を取りはずします。画像は電極をひん曲げて(壊して?)、残った7個のつまみを取り出したところですが、まともなのはオレンジ色のつまみが3個だけで、黒いつまみは全滅です。2ヶ所ある「耳」の部分が片方欠けてしまって、いつ脱落してもおかしくない状態です。この小さな「耳」の部分だけでスピーカーコードを支えるようになっているので、引っぱる力やトルクに対してはとても弱いように思えます。つまみだけを見ると、かなり太いコードが挿入できるように思えますが、実際に内部の電極に接するための孔は爪楊枝の太さ程度です。
「ガスコンロ式」は細いコードしか使えないですネ初めて知りました。このSP端子だけは好きになれないです。
なかなか実装密度が高く、お目当ての部品にアクセスするのはあまり容易ではありません。楽そうなリアパネル側から作業を始めます。最初に取りはずしたのが画像のスピーカー保護リレーで、透明なカバーを外して接点の具合をチェックします。どうやら接点復活剤の類でメンテナンスされたようで、不揮発成分が接点にも残っています。これが小音量時の現象の原因ではないかと推測します。アルコールで洗い流した後、接点グリスをごく薄く塗り付けます。