まだ元気なうちにとリリースした。釣り仲間に話しても誰も信じないような「幻のイワナ」、60センチ以上もあったろうか。メージャーも無かったし、魚拓をとるのが約束事なので「釣り倶楽部・竿名会」では今年もまた「大物賞」はもらうことができないだろう。そしてまた「ホラの山本」と言われるだろう。 なんてかっこよく考えてリリースしたものの、帰り道ものすごく後悔した。あれほどの大イワナを持って帰ったら釣り仲間はきっと目をむいてビックリしたに 違いない。剥製にでもして、酒を一杯呑みながら毎日眺めるによかった。死ぬまで威張れたのに、などとくよくよ考えた。やはり私は聖人君子にはなれない。 せめての救いは、シニアの情報誌「しるばにあっぷる」の記事にしようと写真を撮っていたことだ。これを見たらきっと皆んなは納得するに違いない・・・と思う。だがきっ とあの連中は、絶対認めないだろう。写真を合成したとか、拡大したとか言うに決まっている。そしていつものように「ホラの山本」と呼ぶのは目に見えてい る・・・まあいいっか。