戦艦大和 フォン・テスタロッサ2世 24/04/18(木) 07:20:59 ID:N7xVdq1L
負けた帝国海軍、案外人気があって、劇化映画化すると商売になる。ただし、「何ンにも御存じない」人がつくるものだから、しばしば変なせりふが出て来る。「艦長殿、軍艦旗は自分が死守いたします」海軍では上官に「殿」をつけなかった。三等水兵が連合艦隊司令長官に呼びかけるときでも、ただ「長官」でよかった。軍艦旗も、「死守」する必要はなかった。
陸軍の軍旗、いわゆる連隊旗は、もし敵に奪われたら切腹もので、戦場の兵士たちは連隊旗手を中心にこれを死守する。平素は、虫が食ってボロボロ、紫の総(ふさ)だけになったのを桐の箱へ入れて、各連隊が大事に保管していた。みなさん、戦争映画で、ボロボロに裂けた悲壮な感じの軍艦旗を見たことがありますか。無いでしょう。あれは、いつでも新しくきれいなかたちをしている。つまり備品だから、破れたりよごれたりしたら取替える。外国の商船が敬礼するからといって、旗自体が神聖なわけではない。ただの旗章である。

〜『海軍こぼれ話』 阿川弘之(著) 中公文庫 P33〜34より〜

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